大阪政治を語る会

2015年5月17日の大阪市特別区設置住民投票にて、すでに大阪市民に否決された”大阪都構想”とは何だったのか。大阪の今後がどうなるのかが気になって情報を発信します。

今さら聞いたろ!「大阪都構想」

大阪都構想について詳しく解説します。

 
f:id:osaka_201904:20190331162221p:plain
都構想って、ええんやろ?
知らんけど。
ぶっちゃけ教えて! 都構想って、なぁに?

テレビや新聞で聞き馴染みのある「大阪都構想
なんか響きはいいけど、結局何がどう変わるん?
だれか、ちゃんと教えて。

f:id:osaka_201904:20190331162426p:plain

先生ー。テレビで「都構想」ってよく聞くんだけど、これって何ですか?

お母さんも「大阪が良くなるんやで」としか言わなくて、よく分かりません。

f:id:osaka_201904:20190331162534p:plain

たしかに分かりにくいのう。テレビやニュースで聞く「大阪都構想」の目的も、ここ数年で何度も変わっているからのう。

お母さんも、よく分からんじゃろな? これまでの都構想の流れをまとめてみよう。 

 

これまでの都構想の流れを見てみよう。

f:id:osaka_201904:20190331162636p:plain

【参照】法定協議会、大都市税財政制度特別委員会、財政総務委員会議事録

f:id:osaka_201904:20190331162720p:plain

大阪には、大きな権限と予算を持つ「大阪府」と「大阪市」の二つの自治体が あるんじゃよ。

今の大阪市政令指定都市といって、他の市にくらべて、国からすごく権限と予算が認めれらておるんじゃよ。

都構想は、この二つが「二重行政だ!」ということで、

  1. 大阪市を廃止して4つの特別区に分けよう。
  2. 大阪市の広い範囲の権限・予算大阪府に吸い上げて大阪府に一元化しよう

というもんなんじゃな。

f:id:osaka_201904:20190331162804p:plain

  【参照】大阪市 特別区素案


f:id:osaka_201904:20190331162903p:plain
「都構想」とは、大阪市」を廃止して4つの特別区に分け、広い範囲の権限と予算大阪府一元化しようというもの。

 

都構想になると効果と費用はいくらなの?

f:id:osaka_201904:20190331162426p:plain

えっ!「都構想」になると
4000億円も効果があるの?

f:id:osaka_201904:20190331163115p:plain

実は都構想にはそんな効果はないんじゃ。
前の住民投票のときは、そう言っていたんじゃがの。

都構想の4000億円の効果というのは、 大阪市のままでできる地下鉄の民営化や施設統合の効果がほとんどだったようじゃ。

大阪市を解体せずとも、地下鉄は民営化されたし、施設の統合もほとんど終わってしまったからのう。

「都構想に再チャレンジ!」した今は、効果額は示されていないようじゃ。 

 

大阪都構想の効果額

f:id:osaka_201904:20190331163217p:plain

【参照】法定協議会、大都市税財政制度特別委員会、財政総務委員会議事録

f:id:osaka_201904:20190331162151p:plain

都構想は効果はないかもしれない、ってことなのかなぁ。じゃあ、都構想をやるのに一体いくらお金がかかるのなぁ‥ 

f:id:osaka_201904:20190331163322p:plain

都構想は、大阪市を4つの特別区という自治体に分割するじゃろ。だから都構想の費用は1500億円くらいかかるようじゃの。

費用のことはあとで詳しく話そうかのう。 

f:id:osaka_201904:20190331164335p:plain

そんなにかかるんだ。
都構想って効果がよくわからないのに、そんなに費用をかけないとできないなんて、すごく不安だなぁ。

 

f:id:osaka_201904:20190331162903p:plain

  • 「都構想」は、4,000億円の効果があると言われていたが、現状は効果不明
  • 「都構想」をやると1500億円の費用がかかる。

 

都構想って、結局、何がしたいんだろう?
 

f:id:osaka_201904:20190331164508p:plain

費用はかかるけど効果がよくわからないのに都構想って本当は一体何がしたいのかなあ?

f:id:osaka_201904:20190331163322p:plain

都構想の本当の目的は、あまり知られておらんのう。

都構想を正しく理解するには、「大阪府は貧乏」、「大阪市は裕福」っていうことを知る必要があるんじゃよ。
大阪府は収支が赤字で借金が膨らみ続けているのに、大阪市は収支は黒字で借金を減らし続けとる。

つまり、お金のない大阪府としては、都構想で大阪市と一緒になって、大阪市の税収を吸収したいんじゃな。

 

f:id:osaka_201904:20190331164722p:plain

 【参照】大阪市 市債残高の推移/大阪府 府債発行額・残高等の状況 

f:id:osaka_201904:20190331164753p:plain【参照】平成27年度一般会計決算 行政コスト計算書

f:id:osaka_201904:20190331164508p:plain

大阪市はお金はいっぱい入ってくるけど、大阪府はあんまりお金がないんだ。
知らなかったなー。

えっ!都構想って、実は大阪府大阪市民の税金を狙ってるってことなのかな!?

 

f:id:osaka_201904:20190331162903p:plain

  • 「都構想」の本当の目的は、借金の少ない大阪市の税収を借金の多い大阪府に吸い上げる仕組み。

 

 

まとめ

都構想になると

 

衝撃!
都構想になると

  1. 「都」になる方法が存在しないって本当?
  2. 実は都構想で三重行政になってしまう?
  3. 政令指定都市じゃなくなるとどうなるの?
 
そもそも大阪都になれないって本当?

都構想の住民投票が可決しても「大阪府」は「大阪都」にはなりません!「大阪都」にするためには、事前に名称変更手続きをしてもらう必要があるんです。

住民投票を行うにしても、事前に国会の手続きを経ていない状態で大阪都になることはできません。

また、地方自治法という法律にある「都道府県の名称は法律で定める」という条文を国会で削除してもらった上で、大阪府が「大阪都」と条例を変更することは可能ですが、 いずれもハードルが非常に高く、国会で新たな法律を作ってもらうか、法改正してもらわなければ、 大阪都」になることはできないのです。

 

f:id:osaka_201904:20190331162903p:plain

  • 大阪都」に名前を変えるのは、大阪だけでは決められない!国会での法律改正などが必要です。
実は、都構想になると「三重行政」になるって本当?

f:id:osaka_201904:20190331203129p:plain

【参照】大阪市 特別区素案

都構想になると、一般には大阪市を解体して、大阪府特別区に分けるとされていますが、実は大阪府特別区の間に巨大な「一部事務組合」という組織が設立されることになります。

大阪市が無くなってしまった場合、24区全体を一つにまとめて管理しなければならない情報システム管理や介護保険などの事務は、大阪府にも、都構想の特別区も担当することができない事務として残ってしまいます。

このため、都構想の特別区とは別に24区全体の事務を担当する一部事務組合を別に作る必要があります。

つまり現状が『二重行政』であれば、大阪府」、「一部事務組合」、「特別区」の『三重行政』になってしまうのです。二重行政の解消を目的とした都構想が三重行政を生み出すのは本末転倒ですね。

 

f:id:osaka_201904:20190331162903p:plain

  • 「二重行政」を解消するための都構想は、「三重行政」を生み出してしまう。

都構想になると、大阪市政令指定都市から外される!
外されると困ることだらけ・・・

大阪市などの地域の自治体は、その地域の発展や人口規模などに応じて与えられる権限が異なります。都市が成長すればするほど、一般市、中核市政令指定都市とランクが上がり、 大阪市は、一番ランクが上の政令指定都市に認められています。

f:id:osaka_201904:20190331203231p:plain

【参照】総務省HP 地方自治制度 地方公共団体の区分

もし都構想が実行されると、大阪市が解体されることで、政令指定都市としての権限と財源がなくなり、新たにできる都構想の特別区は一段階下の 中核市レベルの権限と財源に縮小されてしまいます。

政令指定都市として豊富なお金(税収)により、3/4を自前で行政運営してきた大阪市は、特別区になると自前の税収が1/4に減少してしまいます。そうなると常に大阪府(都)頼みの財源をあてにせねばならず、自立した自治体経営からほど遠いものとなってしまいます。

自主財源が少なくなると、区独自で施策を行うことが難しくなり、権限が小さくなると、自分たちの都市のことを自分たちで決めれる範囲が狭くなります。

f:id:osaka_201904:20190331162903p:plain

 
 

 

マメ知識

そもそもなんで、東京23区ができたの?

「東京都」は、もともと「東京府」だったってご存知ですか?

75年前まで存在していた「東京府」は、いまの「大阪府」と似たようなもので、その頃の東京には、「東京府」と「東京市」が存在していました。

ですが東京府の8割の人口を占めていた、東京市の発言力が強くなってしまい、政府から府へ、府から市へ、とトップダウン形式に言うことを聞かせたい政府としては好ましくない状況でした。

そこで、戦争をしていた昭和18年(1943年)に政府は、東京市の発言力を弱くするために、東京市を分割して35区(今は23区)に分けて、政府の言うことを聞かせやすい状況を作りました。

つまり「東京都区」制度は、戦時法制の一つで国主導で実行され、どんどん国に権限が集中(中央集権)するようにするためのものだったわけです。平和な現代では、「地方創生」という言葉があるように、地方がより成長できるように、地方ごとの権限が強化(地方分権)される時代です。

つまり、都構想は、時代に逆行した制度と言えますね。

 

f:id:osaka_201904:20190331162903p:plain

  • 東京23区は、日本が戦争をしている頃、国が首都(東京)に言うことを聞かせるためにできたもので、現在の地方分権の流れに逆行している。

 

特別区や総合区ってなぁに?

でも「都構想」じゃなく、 総合区ならいいとこ取りできる?

 

「区」にも、いろいろ。

f:id:osaka_201904:20190331162426p:plain

ニュースで、「特別区」とか「総合区」とか、ときどき「行政区」とか聞くけど、「区」にも色んな種類があるの?

 

f:id:osaka_201904:20190331163322p:plain

そうじゃよ。まず、今の大阪市の中には「区」があるじゃろ。 これは、大阪市の仕事を分担している単位のことで、「行政区」と呼ぶ。

特別区「総合区」も、大阪市にある権限を、住民に近い区役所におろして、 今より地域の実情に応じた住民サービスを提供しようというものなんじゃ。

f:id:osaka_201904:20190331162221p:plain

どちらも今より区役所が色んな仕事ができるようになるんだね。

 

f:id:osaka_201904:20190331163322p:plain

特別区」は、東京の23区のように、「都が直接管轄する自治体」のことで、 都構想によって大阪市が廃止されたあと、府の下にできる4つの区のことじゃな。

ところが、「特別区」は大阪市をなくして4つの自治体を作るから、庁舎を新しく建てたり、システムを導入したり、とっても大変。

そこで生まれたのが、 今の大阪市を残したまま、各区の権限を強化して、「特別区」と同じようなメリットを実現する 「総合区」という案が登場したというわけじゃ。

f:id:osaka_201904:20190331165611p:plain

 【参照】大阪市 特別区素案 総合区素案

f:id:osaka_201904:20190331162903p:plain

  • 今の大阪市に24ある区が「行政区」
  • 都構想で大阪市を廃止した後にできるのが特別区
  • 大阪市を残したまま権限を強化したのが「総合区」
  • 特別区」も「総合区」も、地域にあった住民サービスを拡充するもの。

 

特別区」と「総合区」費用をくらべよう。
 

f:id:osaka_201904:20190331162426p:plain

区にも色々あることがわかったけど、「特別区」と「総合区」はどっちがお金がかかるの?

f:id:osaka_201904:20190331163322p:plain

特別区」になると、今の大阪市役所の職員の多くが、特別区に配置されることになるんじゃが、配置される職員数が多すぎて、今の区役所には入りきらないんじゃよ。

そうすると、新しい庁舎を建てるか、広い事務所を借りるしかないんじゃ。 今の計算じゃと庁舎を建てると約360億円、庁舎に入れるシステムと合わせると 特別区」は初期費用で約560億円、運用費用や人件費を含めると約1500億円くらいかかるようじゃの。

一方の「総合区」は、職員の移動がそこまで多くはないんで、今の市役所や区役 所を活用すればよいんじゃ。

今の大阪市の「総合区」8区案の試案では初期費用は約60億、運用費用を含めると74億円と言われておるのう。 24区のままで総合区にするなら費用は0円とも言われておる。

f:id:osaka_201904:20190331162221p:plain

特別区では約1500億、総合区では多めに見ても約74億の費用って20倍も違うんだね!

 

特別区導入初期費用

f:id:osaka_201904:20190331165948p:plain

【参照】大阪市 特別区素案

総合区導入初期費用

f:id:osaka_201904:20190331170017p:plain

【参照】大阪市 総合区素案

f:id:osaka_201904:20190331170044p:plain

  • 都構想の特別区にするための費用は1500億円かかるのに対し、「総合区」は今の8区案では約74億円と試算されている。
  • 現状の24区のままで総合区にするなら費用は0円とも言われている。

 

 
特別区」と「総合区」の公務員数をくらべよう。

f:id:osaka_201904:20190331162221p:plain

都構想になると、市で働く公務員の数が少なくて済むって聞いたよ。 いっぱい給料をもらってる公務員は、少ない方がいいよね。

やっぱ、都構想の方がいいに決まってるやん!

f:id:osaka_201904:20190331170237p:plain

普通は定年になって退職する人が出ると新人を新たに採用するんじゃが、いまの大阪市は公務員数が多いということで、退職したからと言ってその分の採用はやっとらんのじゃ。

だから、都構想の「特別区」じゃなくて、大阪市が残る「総合区」でも、公務員の数は減っていくんじゃよ。

 f:id:osaka_201904:20190331164508p:plain

どっちも公務員数が減るとしても、「特別区」にしたほうが「総合区」よりも、節約になるんでしょ?

f:id:osaka_201904:20190331170237p:plain

それがのう、都構想では、これまで大阪市が一括してやってた仕事を、4つの「特別区」で同じことを別々にやらねばならんので、その分、特別区は担当する公務員の数は、実は増えるんじゃよ。

f:id:osaka_201904:20190331164508p:plain

え?増えるの?

1か所でやれる仕事を4つに分けてやるって、かえって効率悪いやん。
なんやそれ。

 

f:id:osaka_201904:20190331170440p:plain

【参照】大阪市 特別区素案、総合区素案

f:id:osaka_201904:20190331170044p:plain

  • 都構想の特別区」の公務員数は、「総合区」よりも多くなる。

 

 

特別区と総合区の予算をくらべよう。

f:id:osaka_201904:20190331162221p:plain

特別区になると、使える予算がいっぱい増えるって聞いたよ。

f:id:osaka_201904:20190331170237p:plain

特別区になると、使える予算は増えるどころか、 実は2000億円減るんじゃよ。大阪市の予算は8700億円じゃが、4つの特別区の予算を足しても、6700億にしかならんのじゃ。

f:id:osaka_201904:20190331164508p:plain

2000億も減るって、そんなこと聞いてない! どういうことか説明してよ!

f:id:osaka_201904:20190331163322p:plain

大阪市の税収のほとんどは大阪府に一旦吸い上げられるんじゃが、 吸い上げた税収のうち2000億円は、大阪府に吸い上げられたまま返ってこないんじゃ。大半が大阪市以外の他の市などに活用されるようじゃ。

f:id:osaka_201904:20190331164508p:plain

大阪市に住んでる人が納めている税金が、他の市に使われるって、そんなの全く納得できないよ!!

f:id:osaka_201904:20190331170727p:plain

f:id:osaka_201904:20190331170044p:plain

  • 特別区になると、現行の大阪市の予算に比べて2000億円減少する。

 

 

今の行政サービスはどうなるの?

f:id:osaka_201904:20190331170813p:plain

特別区になると、使える予算が2000億円も減るってことは、住民サービスって一体どうなるの?心配だよー!

f:id:osaka_201904:20190331162534p:plain

そうじゃのう。特別区で2000億円の予算がなくなると、どこが削減されるか、考えてみないとあかんのう。

特別区になると予算をどう使うかは、特別区長が決めるんじゃ。

では、特別区長になった気分で、順番に削減できる項目を見てみようかのう。

f:id:osaka_201904:20190331162426p:plain

うんうん。

順番に何が削減できるか見てみよう。

f:id:osaka_201904:20190331170237p:plain

最初にまず「人件費」を削減できるかを見てみるとするかな。残念ながら、特別区は公務員に数が今よりも増えるので削減は無理じゃな。

次に、大阪市の借金の返済に必要な「公債費」や、生活保護支給に必要な「扶助費」じゃが、この支払いを行政がやめるわけにはいかんのう。

なので、削減は無理じゃ。

それに、「投資的経費」を削減すると、今進めている色んな建設工事がストップしてしまうのう。これを削減すると大変なことになるのう。

むむ!!残る項目は「行政サービス」のみになってしもうたわい。しかし、これを削減すると行政サービスを下げることになってしまうわい。 

f:id:osaka_201904:20190331164335p:plain

結局、市民サービスを削るしか方法はないってことじゃないのよ! 

f:id:osaka_201904:20190331162534p:plain

残念ながら、2000億円も予算がなくなると、市民サービスを削る以外に方法はなさそうじゃのう。困ったわい。

f:id:osaka_201904:20190331171028p:plain

f:id:osaka_201904:20190331170044p:plain

  • 特別区の予算が今の大阪市と比べて2000億円減少すると、現行の市民サービスを大幅に削減せざるを得ない。

 

まとめ

特別区と総合区

  • 特別区」も「総合区」も、地域の住民サービスを拡充するための制度。
  • 特別区大阪市の廃止が前提であるのに対し、「総合区」大阪市のままで導入可能。
  • 特別区は「総合区」より、約10倍費用がかかり、必要となる公務員数が多い。

衝 撃!

    1. 特別区になると大阪市民の貯金を取り崩さないといけない!?
    2. 特別区になると大阪市民の税金が大阪市外へ流出!?

 

都構想になると、大阪市民の貯金を切り崩さないといけない!?

f:id:osaka_201904:20190331202533p:plain

【参照】法定協議会 特別区・総合区財政シミュレーション

都構想になると大阪市民の税収の多くは大阪府に一旦吸い上げられるため、特別区の自前(自主財源)の税収だけでは自治体の運営ができません。

このため、大阪府から財政調整交付金というお金を各特別区は受け取ることになります。しかし、現在、財政調整交付金として特別区に渡せる税は3種類(法人市町村税、固定資産税、特別土地保有税)に限られています。

都構想になると、新たな庁舎整備、システム構築、公務員増によるコストの増加が発生するため、これだけでは特別区が行政運営するお金として足りません。

財政収支の見通しにおいて、特別区は平成37年度から収支不足による赤字が発生しています。このため、大阪市がこれまでコツコツ貯めてきた貯金(財政調整基金)を取り崩していくことになります。

現状の貯金額で本当に将来、特別区で発生する赤字をすべて補填することができるのかは、特別区が設置されてみないとわからない不透明な状況です。

 

f:id:osaka_201904:20190331170044p:plain

  • 都構想の特別区が新しく作られると、赤字の補填で市民の貯金を切り崩さないといけない。

 

都構想になると、大阪市民のお金(税金)が 大阪市外に消える!?

f:id:osaka_201904:20190331202725p:plain

【参照】大阪市 特別区素案、法定協議会議事録

大阪市政令指定都市なので、個人市民税、固定資産税、法人市民税など7種類の税収が自主財源で、6600億円の税収があります。これに地方交付税などを加え、平成27年度の歳入は約8800億円でした。

これは総合区になっても変わりません。 特別区では個人市民税、軽自動車税、市たばこ税の3種類の税収のみが自主財源であることから、特別区では約1800億円と税収が4分の1に減少します。これに財政調整交付金目的税交付金を受けて、特別区の歳入は約6800億円となります。

では現行の大阪市8800億円と特別区6800億円の歳入差額の約2000億円は一体どこにいくのでしょう。これらは大きくは大阪府の財源となります。

大阪府は府下の市町村の自治体間の貧富の格差を埋めるために「所得の再分配」を行うことになり、大阪市民の税金は市外に流出することになります。つまり、この約2000億円は、市内の行政サービスの費用に全額が使用されるとは限りません。現状、判明しているだけでも982億円は市外へ流用され、市内のサービスの低下が危惧されています。

 

f:id:osaka_201904:20190331170044p:plain

  • 特別区になると、市税約1000億が市外へ流出し、行政サービスが低下する可能性がある。

 

ちょっと待った! それ聞いてへんで!!

都構想が実現すると幼稚園や保育園が有料になって税金も高くなる?

 

家計にかかわる!住民サービスはどうなるの?

f:id:osaka_201904:20190331164508p:plain

小さい子供を幼稚園に行かせてるけど、都構想の「特別区」になっても 幼児教育料は無料のままで行けるの?

先生、家計に関わるから、教えてください。

f:id:osaka_201904:20190331170237p:plain

大阪市では今、4歳・5歳の子供の幼児教育料を無料にするってことをやっとる。 これはお金がかかることなので、他の市ではあまりやっとらん。

大阪市政令指定都市としての独自の財源を使って、やっとるんじゃのう。

f:id:osaka_201904:20190331164508p:plain

えぇっ!?

じゃあ、大阪市を解体して「特別区」になったら、無料じゃなくなるの?

f:id:osaka_201904:20190331163322p:plain

特別区」になると、それぞれの特別区長が無料にするか判断するんじゃが、特別区は自前の税収が少ないんじゃ。

大阪府から配布される財源が約束されておらんので、特別区の財政が悪化すると特別区長が「止める判断」をする可能性があるんじゃ。

大阪府から見ても、大阪市以外でやっていないことを、大阪市内の特別区だけ認めて予算を割り振るかというと、疑問じゃのぅ。

 

f:id:osaka_201904:20190331170044p:plain

  • 大阪市が独自の財源で行っている「幼児教育の無料化」や「敬老パス」は都構想で特別区になると、財政悪化に伴って、特別区長が「止める判断」をする可能性がある。

 

家計にかかわる!税金はどうなるの?

f:id:osaka_201904:20190331164508p:plain

パートで必死に働いて、税金を納めているけど、都構想の特別区になっても、市民の税金は、ちゃんと市民のために使ってくれるの?

f:id:osaka_201904:20190331170237p:plain

今、大阪市民は市税と府税を納めとるのう。

都構想によって特別区民になると、「府全体の行政」を担う大阪府と、「基礎的な住民サービス」を担う特別区に、それぞれに税金を納めることになるんじゃ。

f:id:osaka_201904:20190331164508p:plain

うん、今は府と市に税金収めているわよ。それでそれで、どうなるの?

f:id:osaka_201904:20190331170237p:plain

都構想では、市税のほとんどを大阪府が吸い上げて、もう一度特別区」に再配分するんじゃ。

ところが、「特別区」に配分される額のうち、広域的な大規模開発なんかで使う額は差し引かれて特別区に配分されるんじゃよ。

例えば、広域的な「うめきた2期開発」や「左岸線工事」などの大規模開発事業などは、すべて府税で負担すべきなんじゃが、 特別区のお金も使われるため、他の大阪府民と比べて特別区に住んでいる人だけが、二重に税金を負担する状態となってしまうんじゃ。

f:id:osaka_201904:20190331164508p:plain

なるほど~って、
納得行くわけないやろー!!!!x 

 

f:id:osaka_201904:20190331170044p:plain

  • 都構想になると、特別区」の住民は、二重に税金を負担することになる。

都構想の生活への影響

  • 特別区」になると、今の大阪市が独自で行う住民サービスは廃止される可能性がある。
  • 特別区」の住民は、二重に税金を負担することになる。

 

 

 

衝 撃!

  1. 特別区になると大阪市民は二重に納税!?
  2. 4つの特別区に合区するとどんな影響があるの?
 

都構想の特別区になると、大阪市民は二重に納税!?

大阪府は一般に以下の3つに分けられます。

  1. 大阪府域全体にかかわる「広域」的な事務
  2. 大阪府下の市町村との「連絡調整」
  3. 市町村では処理できない事務の「補完」

f:id:osaka_201904:20190331201846p:plain


【参照】総務省都道府県の補完等関連資料」・大阪市 特別区素案

一方、大阪市は、政令指定都市であることから、ほかの一般市と同等の基礎自治事務のほか、譲与税や宝くじ財源などを活用して、市域全体に関わる幅広い広域事務を行ってきました。都構想になると、広域行政を一元的に担うことから、大阪府はさらに、①から③の事務のほかに、大阪市が担ってきた広域事務なども行うことになります。

しかし、本来、大阪市特別区に分割して「広域事務は一元的に大阪府がやる」場合、その広域事務の財源に、府税のほか、譲与税や宝くじ財源などを活用してやるべきなのですが、「都構想」の制度では、特別区に格下げにより権限も財源も失った後も、旧大阪市民の税金を吸い上げる仕組みになっています。

大阪府下の他の市町村では、市町村の境界を超える広域事務は府税で実施しているのに、特別区民になった旧大阪市は、 府税を払ったうえでさらに府に移管する広域事務の税負担も強いられるのは、税金の二重払いになってしまいますね。

 

f:id:osaka_201904:20190331170044p:plain

  • 都構想で特別区に格下げされても、府民税以外に「広域施策」という名目で納税が二重に必要となる。

都構想で、4つの特別区にすると、どんな影響があるの?

都構想になると、地域の特色や風土が異なる区を一括して大幅に合区するため、特別区内の地域ごとの予算配分や主張のぶつかり合いの調整が非常に難しくなります。

特に住民にとっての影響として問題となるのが、合区されると区の名称が変わるため、住所が変更されることです。現在の区の名称は、区の下に表記されることになることから、例えば、「大阪府大阪市東淀川区西淡路」という住所は、「大阪府東西区東淀川西淡路」になります。

また企業の所在住所も変更になるため、名刺等の住所変更は必要となりますが、当然、費用は各企業もしくは各自での負担となります。

都構想では、こうした住民や企業側が負担するコストについては、必要経費に盛り込まれていません。

 

f:id:osaka_201904:20190331170044p:plain

特別区になると、大幅に合区されるため、住所変更が必要になる。

 
以上です。
 
最後まで読んで頂きましてありがとうございましたっ!
大阪都構想は今後どうなるのでしょうか…。

f:id:osaka_201904:20190331162221p:plain